タップダンスの楽譜

Step0.タップ譜ってどんなの?

このページではタップダンスの楽譜(タップ譜)の書き方、Flat notation(フラット・ノーテーション)を説明します。

Flat notationは私が個人的に開発したもので、万能なものではありません。

とはいえタップの記譜法に関してインターネットで検索しても詳しい資料が見当たらないのが現状であるため、タップダンサーやミュージシャンの方々の参考になればと考え、公開することとしました。ご自分が使いやすいよう適宜アレンジして頂ければ幸いです。

(このサイトの資料を仲間との練習などに利用されるのは大歓迎ですが、その際には皆さんがあとから不明な点を確認できるよう、このサイトを明示くださいますようお願いします。)


それでは、まずタップ譜のイメージを持って頂くため以下を御覧ください。


ちんぷんかんぷんですね(笑)
でも心配しないでください。音楽を全くやったことのない方でも必ずタップ譜が書けるように、ゼロからご説明します。

Step1.リズム譜

タップは打楽器の一種と考えられるため、楽譜を書くには最低限リズム譜の書き方が分からなければなりません。楽器をやったことがない!譜面が苦手!という方はまず下のボタンから「リズム譜の読み書き」を御覧ください。


Step2. 足使いの記号

さて、リズム譜が書けるようになったら、いよいよ足使いの記号を準備して行きましょう。以下の表を御覧ください。

(2019.7.2 rippleを追加し、第2版に更新しました)

高画質版はこちらからダウンロードできます↓

PDF版はこちらからダウンロードできます↓

タップダンスは基本ステップの連続で成り立っているため、それぞれの基本ステップに対して記号を作成しました。

Flat notationでは音符の下に記号を書くことで、その音を鳴らすのに使うステップを表します。

シンプルなステップで使用頻度が高いと思われるものはアルファベット1文字を優先的にあてました。

右足で行うステップは通常の向きのアルファベットで、左足は鏡文字で書くことにしました。

同じ頭文字で始まるステップも多いため、混同を避けるため2文字や3文字としたものもあります。

2〜3文字の記号を鏡文字で書くのは大変なので、それらは右足なら記号の上に○(白丸)左足なら記号の上に●(黒丸)をつけて表すこととしました。

1文字のステップに対しても鏡文字を使わずに○や●で表してもよいと思いますが、慣れると鏡文字を用いたほうが速く記述できます。

2音以上のステップの記号は、楽譜上のどの音からどの音までがそのステップに該当するのかはっきりさせるために、下の例のように下向きの山括弧"〈"を用いて表すことにしました。

初めのうちは一つひとつ記号を書いていくのに時間がかかるかもしれませんが、慣れればスラスラ書けるようになり、十分実用的です。

このサイトでは、タップダンス未経験者・初心者の方のために、各ステップに対する解説動画を準備しています。必要な方は以下の「基本ステップの解説」からご覧ください。


Step3. 足の位置の記号

Flat notation では、足の位置を表す記号も準備しています。例えば、右足を置くにしても、左足の前に置いた場合と後ろに置いた場合とでは、見た目や次に続くステップが異なってきます。この項目は振り付けの記録や振り覚えを補助するためのものであり、リズム譜の観点からは本質的なものではありません。そのため必要を感じなければ読み飛ばして頂いても構いません。ただしルーティーンの中には、同じ足使いを繰り返しながら足の位置を変えていくことを主眼としたものもありますので、そういったものの記述には役立つと思います。

では以下に具体的にお示しします。

例1. 左足の前に右のステップ(s)を置きたいときは次のように表現します。

(ここでいうステップとは、ステップという名のステップのことですので混同なさらぬよう笑)

sの下のマッチ棒のような記号が足の位置を表します。マッチ棒の根本側が現在左足を置いている位置を、先端側がそれに対する右足の位置関係を表しています。

続いて、例2.足をクロスして右足の斜め前方で左足のシャッフルを鳴らしたいときは次のようになります。

今度は左足で音を鳴らすので、マッチ棒の先端が左足を表す黒丸になっています。反対にマッチ棒の根本側はいま右足を置いている位置を表すことになります。

今の例ではシャッフルの1音目と2音目を鳴らす場所が同じでしたが、足を動かしながらシャッフルをするせいで1音目と2音目のなる場所が変わってしまう場合はどうすればよいでしょうか?

例えば例3.右足でシャッフルをしながら右脚を動かし、右脚が左脚の前でクロスして終わるようにしたいとき などです。

僕は次のように書くことにしています。

1音目を鳴らす位置にマッチ棒の先端を書き、その後の動きを矢印で表現しています。この辺りはアレンジの領域ですので、皆さんも使いやすいよう工夫をしてみてください。

足の位置の表し方は以上です。すべてのステップに対して位置記号を付けると大変ですしゴチャゴチャしますので、足のクロスなど、音を鳴らす位置が通常と違う場合や、振付上の演出がある場合など、要所要所で付けていけばよいと思います。


Step4. 繰り返し記号

タップ譜を書く上で、知っていると便利な繰り返しの記号を作りましたのでご紹介します。

主にルーティーンを記載するとき活躍します。繰り返し記号は2種類準備しました。

1つは同じ向きで繰り返すもの(∽)、もう1つは左右を入れ替えて繰り返すもの(*)です。

まず同じ向きで繰り返す記号からです。たとえば、左ヒール+右シャッフルで3連符のリズムを繰り返す場合、通常通り書くと次のようになりますが...


同じ向きで繰り返す記号を用いると次のように書くことが出来ます。[ ] で囲った部分が繰り返す範囲となります。

次は左右を入れ替えて繰り返す記号を紹介します。例えばpaddle and roll という一連のステップを通常通り書くと次のようになりますが...

左右を入れ替えて繰り返す記号を使うと次のように簡潔に書くことができます。

以上は簡単な例で有難みが薄いですが、長いルーティーンになる程威力を発揮します。サイトメニューから基礎練の楽譜を参照頂くとわかりやすいと思います。

ちなみに、回数を決めて繰り返したい場合は、記号の後に数字を続けて書くことにしています。

例)

一連のルーティーンを同じ向きで4回繰り返す場合は「∽4」(右から始まるルーティーンであれば右右右右)

毎回左右を入れ替えながら5回繰り返す場合は「*5」(右から始まるルーティーンであれば右左右左右)


Step5. タップ譜のバリエーション

タップ譜のバリエーション例として、音符が2段になる楽譜をお示しします。

(準備中)



ここまで読んでくださりありがとうございます。説明不足の点も多々あるかと思いますので、それを補うべく楽譜つきのルーティーン動画も随時アップロードしていくことにしました。サイト内の「今日のルーティーン」から見ることが出来ますので、参考にして頂ければ幸いです。(準備中)


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